新国立競技場の建設コンペから考えるIT業界の問題

FaceBookのフレンドがシェアしてた記事で、面白いのがあった。
2020年東京オリンピックに向けて国立競技場をリニューアルするわけだけど、
そのコンペで当初の予算を大幅に超えるデザインのものが採用され、論議になってる件について
建設業界のブロガーが載せた記事についてだった。
新国立競技場の建設コンペをめぐる議論について

この記事を読んでると、建設業界にある問題点はIT業界にも通じるものがあると、
再認識させられる。

なにがそうさせるのかというと、この一連の記事ではコストが予算オーバーになってる要因について
下記の要因を上げている。

1.デザイン優先で、構造的問題を考慮せず採用した

2.既存の建築物を改修するだけでも十分要件を満たせるのにしない

 

■デザイン優先でシステムを小馬鹿にするデザイナー
まず、1についてはデザイン優先で、アーティストが作った綺麗な絵に行政が飛びつき、
結果として、絵を実現しようとすることによる建築物の構造的問題解決のため、コストがアップし
予算オーバーしているということ。

これはIT業界でもよくある。デザイナーが描いた絵に描いた餅に飛びつき、リッチクライアントUIを作ることにコストがかかり、
肝心の内部のシステムに予算がまわらなくなったり、またUIにこだわりすぎて、工数が足りなくなったりする現象だ。
これは、結局デザイナーはデザインだけのことしか考えず、それを実現するのにどれくらいコストがかかるのか?
というコスト概念がない場合が多い。絵の上では簡単なことも、システムで実現するにはどえらい手間がかかることなどざらなのだ。
だが、それを理解できず、「これぐらいもできないの?」と馬鹿にしてくる。ならおまえやれ!w
つまり、全体を考えない自分の仕事だけ考えて動くタイプのデザイナーだ。口だけは達者なので、知識もないくせに技術者に文句をいう。
こういうプロジェクトはお互いの関係が悪化し、技術者(エンジニア)は仕事を手抜きし始め、炎上し続ける。

■地味な再利用を嫌がるデザイナーと顧客
2つめの既存のものを再利用することができるにもかかわらず、それをしようとしないということ。
実は現在の国立競技場を再設計すれば、利用したまま要件を満たす競技場が作れるのだそうだ。
だが、それには構造を再把握し、再設計する必要がある。また、デザインができないので、デザイナーがやりたがらないそうだ。
つまり地味で面倒な作業なので、嫌がっていちから作り直しましょうぜ!というので、予算オーバーになっているということだ。

これもIT業界であることだ。 既存のシステムをVerアップするさい、殆どの場合、過去のソースはドキュメントがなく、
いちから設計しなおして制作することが多い。実際そのほうが早いこともあるからだ。
だが、過去のソースを再利用できれば、もっとはやくVerアップを行えることもある。
そのためには過去のソースを解析し、再設計する必要があり、地味で面倒なのである。
そして、その作業にも工数はかかるが、顧客にはその工数が無駄に思えるのだ。(地味だから必要な作業に見えないから)
結果として、いちからの作り直しになり、過去の遺産が廃棄されていく。
で、実際設計しなおしはじめたらあれ?予算オーバー・・・とw

 

実際、IT業界のシステムの構築技法というのは、建設業界に習っている仕組みのため、
その問題点は共通することが多い。今回の紹介した記事がタイムリーだったため、
IT業界と対比させたこの記事を書いてみたが、結局のところ、デザイナーや、顧客のシステム担当者が
全体像や、技術者(エンジニア)のことをきちんと聞かない、または理解しようとしないため起きる問題で、
見た目の派手さや耳心地のいい言葉だけに惑わされるから起きる問題と言える。

そういった顧客側の意識改革を促していかないと、やはり業界全体としての問題はなかなか解決しない気がする。
また、技術者側もただうのみに作業するだけでなく、モノを言うエンジニアになっていく必要があるのかもしれない。